***** 私たちのただ中に来られたキリストにならって (2007年12月) *****
 

謹んで新年のご挨拶申し上げます。
皆様、どのような年明けを迎えられましたでしょうか。
私にとっては、昨年は入院・手術・エチオピア撤退という痛みはありましたが、帰国のおかげで甥の誕生・大晦日の伯父の葬儀などに思いがけず共に在ることが許され、また多くの慰めと励ましを受けとれた年でした。いつも以上に恵みと感謝に満ち溢れた年であったことを想いました。
今年の目標を定めるにあたり、次の聖書のみ言葉が心に響きました。
 
「神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。それは、私たちにキリストの苦難があふれているように、慰めもまたキリストによってあふれているからです。」(IIコリント1:4〜5)
 
たくさんの慰めを受けた昨年だったからこそ、今年はどのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるよう霊肉とも健やかに備えてアフリカへと戻っていくことを願っています。
 

■ 先月の活動と報告 ■
 

1.エイズは社会的な課題
 
 12月1日は「世界エイズデー」。HIVエイズと共に生きる人々に対する差別・偏見の解消とエイズまん延防止のため、エイズについてもっと良く知る日でした。
飢餓による死者はいまだ大変多いながらも年々減少してきていますが、HIVエイズの感染者は(主に開発途上国で)今も年々増加しています。世界でHIVエイズと共に生きる人々の63%はサハラ以南アフリカ(中央〜南アフリカ付近)に集中していて、国連開発計画(UNDP)は「HIVエイズは人的発展の後退に深刻な影響を及ぼしている」と報告しています。
つまり、エイズの問題に真剣に向き合って取り組まなければ、世界全体が発展できないどころか後退さえする、ということです。
 先月参加したセミナーでは講師の医師が「エイズは『社会的』な開発課題で国際社会が取り組むべき緊急課題だ」と話していました。
その方は医師でしたが、医学的課題ではなく社会的な課題であることを強調していました。
 いつも痛感することですが、エイズの問題を考えるにあたってはやっかいなテーマを直視しなければならないため、なかなか公の場での啓発・アピールが許されません。
アフリカで、と言いたいところですが、実はこの日本国内の方が、その傾向はより強いのです。むしろ、かつては住人の多くがHIVに感染しているにも関わらずエイズの話ができなかったジジガなどの地域では、今やしっかり問題を直視し考え話し合うことができるようになりました。
日本は先進国の中ではエイズの発症率がいまだ年々増加している珍しい国です。それは、やっかいなものを見ず関わらないようにする日本人の文化のせいかもしれません。日本は精神面も含めて本当に先進国でしょうか。他国の課題だけでなく、他国の姿を通して自身の姿・課題を正しく振り返る必要があります。
エイズは、私たちの見つめたくない課題を照らし、正しい方向への転換を促す預言者のような役割を果たしているのかもしれません。
 
 
2.私たちのただ中に来られたキリストにならって
 
 12月25日はクリスマス。神のあり方を捨てて私たち人間の世界のまっただ中に降りて来られた救い主イエスキリストのお誕生をお祝いする日でした。
自ら人間となって人間と共に生き、生活の中での痛みや困難を味わって下さった、この上なく人格的な神の子イエスキリストが、国際飢餓対策機構スタッフの生きたモデルです。
私たちは罪人で、イエスさまのような完全な愛もなく、海外現場での不自由さを現地の人たちと同じように生き抜けるほどの強さもありません。
でも、神さまと現地の人たちからむしろ愛され赦されながら、働きがなかなか実りを得なかったり人に理解してもらえない日も、このイエスさまから目を離すことなく神と人とに仕えていこう、とクリスマスに改めて自らの信仰と働きの原点を確かめました。
 
 

■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■
 

●世界各地の当団体の働きが、地域の人たちの必要に適切に関われる形へ導かれますように。特にエチオピアとウガンダの働きのため。
●ジジガの孤児・養育者・地域の人たち自身による歩みが豊かに整っていきますように。ソマリア情勢、イスラム教徒とキリスト教徒の関係回復のため
●私の今後の派遣国と働き、日本での必要な備えが、最善に導かれますように。霊肉とも健康が強められますように
●高橋ゆかりスタッフ、日本にいる家族が皆、霊肉共に守られ支えられますように
 
今年は年始からアフリカ出張を経て駐在に向けた準備を進められるかもしれません。
正式な決定後紙面のレターにて報告を致しますが、いずれの国のどのような働きであっても続けて世界の必要のために祈り支えて共に労して下されば大変嬉しいです。
 
新しい年も、皆様が平安に満たされ、ますます豊かな恵みと祝福に包まれる一年となりますように!
 

イースター(復活祭)によせて (2008年1〜3月)

** 平安をあなたに **

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