***** 平和をつくる (2007年10〜11月) *****
 

皆様、こんにちは。
だいぶ寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私はおかげさまでエチオピア派遣前とほぼ同レベルの体調まで回復してきました。皆様のお祈りお支えを心から感謝いたします。
先日12月1日は「世界エイズデー」という、国連・世界保健機関(WHO)によって世界的レベルでのエイズまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として定められた日でした。
また、10月16日は世界食料デーという国連・食糧農業機関(FAO)が制定した世界の食糧問題を考える日で、これを期にたくさんの大会・諸集会が行なわれました。世界の問題を皆で考えるためにいろんな日が定められていますね。今回は10〜11月の報告ですので、まず世界食料デーの方からお伝えしたいと想います。
(世界エイズデーももう過ぎてしまったのですが、こちらは次回報告で触れる予定です。)
 

■ 今月の活動と報告 ■

1.みんなが食べられる世界へ

 世界食料デーに際して、私も10〜11月はキリスト教会に集う子どもたち・大人の皆様に状況を知っていただくために、ご依頼のあった教会を訪問し、世界・エチオピアの現状と私たちができることについてお話しいたしました。
特に小さな子たちがよく話を聞いて理解してくれて、しかも意識が高かったことには意外な驚きで、日本人の姿勢から未来の世界を修復していける希望を感じました。
 この世界では4秒もしない間に1人が飢餓によって命を落としています。またエチオピアでは6人に1人は5歳より前に死んでしまいます。
でも世界を見渡すと、食べ物が足りないから飢餓が起こっているのではなく、アメリカや日本を始めとした先進国(全人口の2割)が世界の食物の4割も(以前は世界のほぼ半分でした)輸入して抱え込んでいるためにそれ以外の国で食料が足りなくなっているのです。
もちろんそんなにたくさんの食料が私たちのおなかに直接入っているわけではありません。あるものは余って捨てられ、あるものは動物のエサとなっています。
私たちが牛肉1kgを食べる時、それはエサとなった8kgの穀物も間接的に一緒に食べているのです。鶏肉なら1kgあたり4kg、豚肉なら1kgあたり2kg。やわらかくておいしい肉にする、ただそれだけのために、人間が食べるべき穀物を奪い取ってしまう。
飢餓はそのような人間が作り出した人災なのです。
しかもそのことのゆえに、先進国では歯が弱ったり成人病など病気が増えています。
でも、私たち日本人が食物への姿勢を見直すこと、やわらかい肉よりも穀物や野菜を多く食べることだけで、世界中で飢餓で死ぬ人は格段に減り、私たちも健康に生きられるのです。
 ある教会では「節食パーティ」という名で肉のない野菜雑炊を皆で味わいながら、粗末な食事をしている人たちを想う機会として下さいました。
私が在籍していた神学校でも、世界の人たちを想いながらお米だけを食べて、浮いた食費をお送りしる「節食デー」を続けています。
子どもだけでなく大人も私たち一人ひとりが意識と食生活を変えることによって「みんなが食べられる未来の世界」を作り上げていければ、と願っています。
 

2.平和をつくる

 日本には本当にたくさんの国際開発協力関連の書物や無料講習会などがあり、現在それらを最大活用して情報収集中です。その中で今特に考えさせられているのは「平和をつくる」ということです。
ある講義では、イギリスで平和学を修めた後ルワンダ・シェラレオーネ・アフガニスタンで平和構築・復興支援をしてきた講師が大変リアリティに富んだ内容を提供してくれました。
 平和をつくる過程にはその第一目的達成のために理不尽さがあっても飲み込まなければならない条件があるもので、また良いことをしているつもりで現地の人たちに悪影響を与えうるいろんな要素もあります。
ジジガの働きを経て、キトゥグム(ウガンダ北部)を視察して、「平和」というものへの関わりを暗中模索しながらもいろいろな考えがまとまらなかったところを、いろんな国の事例を聞く中ですっきりと整理でき、今後の働き計画の上で知っていなくてはならない内容でした。
いろんな国の過去の歴史から学び、同じ間違いを避けながら、現場で「平和をつくる」働きに用いられていきたいものです。
 

 ■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■

● アジスアベバの収入向上プログラム、キトゥグムの再生プログラムなどアフリカでの働きが各々、地域の人たちの必要に適切に関われるものへと導かれますように
● ジジガの孤児・養育者・地域の人たち自身による歩みが豊かに整っていきますように。ソマリア情勢、イスラム教徒とキリスト教徒の関係回復のため
● 私の今後の派遣国と働き、日本での必要な備えが、最善に導かれますように。霊肉とも健康が強められますように
● 高橋ゆかりスタッフ、日本にいる家族が皆、霊肉共に守られ支えられますように
 
 
「平和の主」としてこの世に来られたイエスキリストのご降誕を待ち望む待降節(アドベント)に入りました。
師走で殊更にどなたもお忙しい時期でもありますが、そのような中でも皆様お一人ひとりが主の平和に包まれ、恵みに満ちたクリスマスまた新年を迎えられますように、
心からお祈りしています。
 


私たちのただ中に来られたキリストにならって (2007年12月)

** 平安をあなたに **

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