***** エイズと共に、ポジティブに (2007年2〜3月) *****
 

皆様、こんにちは。いかがお過ごしですか。
メール送信の不具合と私自身の体調のため、2ヶ月ぶりの報告となってしまい、申し訳ありません。
実は現在日本におり、私も2年ぶりに日本の美しい桜を満喫しております。
良い季節に一時帰国できて、とても感謝です。(花粉症の悩みもついてはきましたが・・・)
 

■ 前2ヶ月間の活動と報告 ■

1.HIV・エイズと共に、ポジティブに生きる

 労働許可取得が再び難航したため、いったんエチオピア国外に出なければならず、2月17〜24日にケニアに行きました。
FHケニアではHIV(エイズウィルス)陽性の女性たちが自分たちで必要な収入を得ていけるように、収入向上プロジェクトを行なっています。FHIと協力関係を持つファウル(FAULU)という小口有志銀行が、彼女たちにお金を貸し、グループで励ましあって仕事をしていけるよう助けています。そこで今回ファウル主催で女性たちに向けて行なったセミナーを見させていただきました。


生き生きと賛美する、HIV・エイズと共に生きる女性たち

 最初は賛美から始まり、あまりの元気さに、言われなければHIV陽性だとはわからないほど。
ファウルのスタッフは「私たちはあなたがたにお金を『あげる』のではありません。皆さんが自分で生活していけるように『貸す』だけです」とまず断りを入れて、皆がグループであることの意義、そして具体的に自分の収入の必要額(栄養ある食事、生活品、薬代など)を計算した上で月収の目標を立てることなどを話し合っていきました。
 私が最初このテキストを見た時、「みんな、気持ちが滅入ってしまわないだろうか」と心配でしたが、参加者は想像以上に前向きに取り組んでいました。誰もが孤独ではなく同じ境遇の仲間が共にいるということ、そこで全体のムードを盛り上げているファウルのスタッフの要因も大きいのかもしれません。

 専門的な話をする際、HIV陽性の人々のことを通常「HIV・エイズと共に生きる人々」と呼びます。まさしく彼女たちは、HIV陽性者、ましてやエイズ患者という言葉のイメージでではなく、HIV・エイズを持って生きている人々であることを実感しました。
ちなみに、HIV陽性というのは英語でHIVポジティブと言いますが、ポジティブには「前向き」という意味もあります。その意味では彼女たちはまさしくポジティブに生きていて、心から尊敬せずにはいられませんでした。
 なお、皆様にお祈りいただいているトニーは、ARV(抗エイズウィルス薬)を飲み始めました。今のところ薬の副作用もなく、当初精神的に打撃を受けていましたが、その後元気になって普通に生活しているとのことです。もちろん元気と言っても、内面にはいろんな苦しみや葛藤があり、体調の悪い日も多いと思いますが・・・
でも私たちも、HIV・エイズと共に生きているトニーをはじめ、身の回りの人たちが、あの彼女たちのように前向きに生きていくのを助ける者でありたい、と心から願っています。
 


セミナーを進めるファウルのスタッフ

2.かなえられた祈り

 ケニアでとても励まされ、満たされた気持ちでエチオピアに戻ってきて3日目。突然の右下腹部の激痛で嘔吐し、そのまま入院しました。
医師の話では、恐らく卵巣茎捻転で、このままだと卵巣に血が回らずに壊死して腐ってしまうので緊急手術が必要とのこと・・・しかし、ごくまれにねじれた卵巣が自然に元に戻ることもある、と聞き、「神さま、どうしても手術をしなければならないのであればそれに平安が得られますように。でも願わくは卵巣を元に戻して下さい」と祈って眠りにつきました。
 次の日の朝、医師は既に手術体制に入っていたのですが、その後激痛はなく、むしろだんだん痛みがひいているような・・・なんと、本当に卵巣が元に戻った様子!手術を免れ、いったん日本で精密検査を受けて今後の治療方針を考えることになりました。

 3月6日に日本に着き、混雑した日本の大学病院の状況に驚きながらもやっと今週検査結果がまとまりました。左右ともの卵巣に5cm大の嚢腫があり、これが捻転の要因となりますが、それ自体は良性とのこと。様々な要因を考慮し、現在は摘出手術は行なわず、当面エチオピアで経過観察を続けることになりました。この嚢腫がきれいになくなってくれれば、その後も心配なくエチオピアで働けるので、続けてそのような完全な癒しを祈っているところですが、実際はそうでなくても心配しすぎず働き続けることは可能かもしれません。私よりも重大な癒されるべき病の人がたくさんいることも思い、いずれにせよ世界大の計画を持っておられる神さまの御心がなるようにと願っています。
 まだ全身のだるさがあるため、この後もう少し休養し、せっかく日本にいるのでこちらのプロジェクト管理の講座を受けてから、5月末ごろエチオピアに戻る予定です。

 ■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■

● ジジガの平和と安全が守られ、ジジガの孤児・養育者・地域の人たちが皆前向きに助け合って生きていけますように。地域フォロアップ、特にトニーの全人格的支援の守り導きのため
● ソマリア暫定政府・エチオピア軍が仕掛けた戦闘で、首都付近に数百人のソマリア人犠牲者が出て、混乱が起きています。一日も早く武力ではなく和解による解決がありますように。ソマリアとエチオピア、イスラム教徒とキリスト教徒の関係回復のため
● アジスアベバプロジェクトが、人々の声をよく聴きながら最善の必要に届いていけますように(現在活動地域で人々に質問を行なっています)
● 労働許可の再取得のため
● 日本での治療と癒しのため。現在エチオピアで私のなすべき分も労して下さっている高橋ゆかりスタッフ、日本にいる家族の健康も、霊肉共に支えられますように
 

 キリスト教の暦では、今日は、イエスキリストが私たちの罪の身代わりとなって十字架にかかり、救いを与えて下さったことを覚える日(Good Friday:受難日)です。
この地球大で考えても、罪を犯した本人ではなく、そのしわよせを受けた貧しい人たち、自然に囲まれた地で自然破壊の影響を受けた人たちが痛みを受けていることをも想います・・・
人を傷つけるのではなくご自身が痛む者となられた主イエスキリストの御救いに目を向け、
また、特に能登半島・ソロモン諸島で被災された方々、世界の貧しい方々の痛みを覚えながら、
この世界に、神と人、人と人、人と動物、人と自然、というすべての和解が実現した真のゆるぎない平和が訪れるように、と心から祈っています。
皆様の日々の生活を通しても、世界大の真の平和が一つ一つ実現していきますように。
 

今の方がずっといい (2007年4月)

** 平安をあなたに **

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