***** アムハラ語実習スタート (2006年3月) *****
 

皆様、こんにちは。いかがお過ごしですか。
日本は桜がきれいな頃でしょうか。エチオピアでは小雨期が始まり、朝晩に雨が降って気温が下がる日が増えていますが、日中は燦々と日がさし、一日の間に秋と夏があるような天気です。この先やってくる雨期も日本の梅雨とはだいぶ雰囲気が違うようで、ちょっと不思議です。


■ 今月の活動と報告 ■

1.アムハラ語の語学実習スタート

 3月21日より週4回3時間のアムハラ語実習が始まりました。ちょっとだけアムハラ語をご紹介します。
まず、「あんた」というのは「あなた」(男性単数)、「〜あっる?」(語尾を上げる)・「〜あっる」(語尾を下げる)は「〜ある?」・「〜あるよ」(複数形)という意味です。なんと日本語が通じるではないですか!
でも、「とろとろ」は「いそげ」という意味、「こい」と言われてそっちに行ったら実は「待て」という意味。日本語と全く逆・・・大変まぎらわしいです。
ちなみに、「こんじょう」というと「美しい」、「ちまき」というと「ジュース」です。日本人婦人会の出版冊子で、あるレストランが「チマキがおいしい」と紹介されていて、「エチオピアにもチマキがあるのか!」と期待したら間違っていました・・・
 もちろんこんな単語ばかりではありませんが、欧米の言葉で日本語に聞こえることはあまりないので、意外にエチオピアの言葉は傾向として日本人になじみやすいのでは、と感じます。(他のアフリカの言葉もそうみたいですね。)まだエチオピアに来て間もないですが、その文化の中で、日本と同じだなぁ、似ているなぁ、と親近感を感じることもあれば、まったく逆でいらいらすること、また思いもよらない異なった展開に動揺することもあり、この言語と同じ3種類の心の動きを日々生活の中で味わっています。
 語学の学びはゼロからのスタートで子ども返りした気分になります。だけど、大変ながらも新たな発見に満ちていて、とても楽しい!この異文化のエチオピア生活もまさしく何もわからない状態で子どもに返った気分ですが、新しい人・事柄との出会いを楽しみ、そこからいろいろ教えられながらゆっくり行きたいです。

2. ジジガ来訪、アジスアベバ市内にて

 3月4日から11日にかけて、ゴスペルシンガーの森祐理さんご一行様をお迎えし、高橋ゆかりスタッフが今後主に関わる、定住・自立支援プログラムを進めているサシガと、私が今後派遣される、HIV/エイズプログラムが進められているジジガをご一緒に訪問させていただきました。売買春が横行し、住民の2割がHIV(エイズのウィルス)に感染しているであろうイスラム中心の街ジジガでは、正直なところ、どんよりとした暗さ、霊的戦いの大きさを、改めて全身に感じました。しかし、そんな中でもFHIジジガの現地スタッフたちが皆とてもあったかく、孤児たち(主にエイズで両親を失っています)に心から接していました。訪問した孤児・ヘレンの家では6人で6畳くらいのぼろぼろの小屋に住んでいるのにささやかに家の中を飾っていて、せいいっぱい私たちをもてなしてくれて、また私に抱きついてくる彼女の素直でけなげな姿に、胸が熱くなりました。 森祐理さんをはじめ、来て下さった日本人の方々の励ましもたくさん受けて、「暗闇でこそ光の明るさはより明らかになるはず」という、かつて自分がここへ進み出て来た時の確信、神さまがこの地に成して下さるまだ見えない何かへの信頼と期待を新たにされて、帰ってきました。


ジジガにて ヘレンと

 ところで、アジスアベバ市内では、しょっちゅう物乞いの人や子どもたちに出会います。「1ブル(約13円)ちょうだい」と具体的に請求されたり、神やキリストの名を挙げて憐れみを請われることもあり、大変心揺り動かされます。私の中では、彼らがこういう依存生活を続けていくよりも自立して立ち上がるのを助けるためにここに来たのだから、その依存心を助長させる行動をむやみにはしない、という一応の結論は持っているつもりですし、アジスアベバには東アフリカ最大の市場があって、そこで物乞いなどしようものなら仕事をどんどんくれる、という話も聞きます。もちろん本当にその人に必要なものは何なのかは、じっくり話を聞いたりしながら個人的な関係を築かないとわかりませんが・・・いろんな気持ちが交錯する中、ただ改めて、神さまご自身が一瞬で全世界のすべての不義や困難を癒す力があるにも関わらず、そうはなさらないで、かえって一人ひとりに具体的にじっくり個人的に関わって愛の御手をもって触れ、心の内から私たち各々を変えて下さるお方なのだ、ということを想わされています。ジジガでも、孤児の数は1000人を超える、だけどFHIが支援しているのは80人。その数だけを見たら「焼け石に水」のような働きでしょう。ですが、その一人ひとりに命があり、奥深い心の動き、人生の転換があり、そこに私たちは、小さな者なりに、でも神からの愛を受けた者として愛をもってふれさせていただく・・・まず私自身、自分という人間の限界(時間、体力、心など)を受け入れ、ゆるしながら、でもできること、本当にその人たちに益となる一つひとつを、あせらず心を尽くして模索していきたいものです。

3. アジスアベバの政情と治安、引越し感謝

 3月7日に3件、27日に5件、4月6日にも政府関連施設にて爆破事件がアジスアベバ市内であり、3月27日には1名が死亡、17名が負傷しました。(7日の事件については犯行声明がでております。)FHIでは、日本大使館からの分析情報も得て、特に街中の移動に際しての安全面に万全の配慮をとってくれています。
なお、私たちは事務所へ歩いて5分以内の閑静な住宅街に適度な家が見つかり、4月1日(土)に引越しをしましたが、このような時にまさしく事務所への移動に関する心配がなくなったことを心から感謝しております。
 いずれにしてもエチオピアの行政に不正がなくなり、国全体が良い方向で安定していくことが真の解決であることを想います。私たちの安全と共に、エチオピアの政情改善のために、覚えてお祈り下されば感謝です。

4. 森田スタッフの帰国、今後の報告会など

 3月前半には、エチオピアでの5年の働きを終えた森田哲也スタッフから引継ぎをいただきました。森田スタッフはその後15日にエチオピアを出られ、現在支援してくださった方々、団体への報告をしておられます。
特に6月3日(土)1時半、6時半より、所沢ミューズ・アークホールにて、森田スタッフ報告会、ゴスペルシンガー上原令子さんの歌とお話、沖縄の演劇空間・大地による劇「ゴンダールでのやさしい光」(エチオピア・ゴンダールでの実話絵本に基づく)の3本柱でのイベント「エチオピアの風を感じる集い 〜生きる力、生きる希望〜」が行なわれます。


森田スタッフが関わったサシガ あいのり学校にて ご訪問下さった方々と共に。(後列一番右が森田スタッフ)
学校のピンクの壁も、視聴覚教材の場に!

 ■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■

● 安全と健康が守られ、エチオピアでの生活に順応していけるように。エチオピア政情改善のため
● アムハラ語の学び、現地スタッフとの良きコミュニケーションのため
● 労働許可(就労ビザ)が取得できるように(現在はビジネスビザのため、生活に必要な様々な手続きができず、3ヶ月ごとに国外へ出てビザを更新する必要があります。)
● 今もジジガで進められているエイズプログラムの導き、今後の良き展開のため

なんだかとても長くなってごめんなさい。次回からもう少しコンパクトにまとめようと思います。

皆様お一人ひとりに、神さまの祝福に満ちた導きが日々更に豊かにありますように!

心から祈りつつ

アジスアベバの孤児を訪問して (2006年4月)

** 平安をあなたに **

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