***** アジスアベバの孤児を訪問して (2006年4月) *****
 

皆様、こんにちは。
日本はゴールデンウィーク真っ只中ですね。いつもとは異なる休息や旅行など良き時を過ごしている頃でしょうか。
エチオピアは、4月23日(日)がイースター(キリストの復活祭)でした。(日本を含めた西暦のカレンダーでは今年のイースターは16日でしたが、エチオピア暦なのでずれるのです。)
多くの人たちが家族や近所の人たちとおいしい食事でお祝いするようで、今は街のあちこちにほふられた羊の頭がころがっています・・・
私も珍しく凝った料理をつくって、日本人の友人たちと夜遅くまで楽しい時を過ごしました。


■ 今月の活動と報告 ■

1.アムハラ語でも冗談を

 アムハラ語の実習を始めて1ヶ月以上が経ちました。
単語も文法も覚え切れなくてまだまだですが、とてもうれしい変化は、アムハラ語で冗談を言ったり、つっこみを入れることができるようになったことでしょうか。


2.HIV感染の孤児訪問

 私が通っているアジスアベバの教会では、エイズで両親を失いかつ自分も感染している孤児たちのための施設『A HOPE』に、イースターとその前の週の礼拝献金をすべてお渡ししました。またイースター前日には教会の有志たちの施設訪問がありました。
まだ語学実習中で首都アジスアベバにいるのに、エイズの問題、ことさら孤児と直接触れ合う機会があるとは!
私も加えさせていただき、キリストの復活とこの地上のいのちに終わらない希望についての聖書のお話の時間や、塗り絵、卵の色付けの時間を子どもたちと共に持ちました。


ある症状の重い孤児

 免疫力の弱った子たちの中には、頭皮までできものでいっぱいの子、だるくてあまり動けない子もいましたが、みんな健康な子たちと同様にじゃれあったりぶつかりあったりしながら素朴に過ごしていました。ただ、永遠のいのちへの希望が語られた時の耳の傾け方は、心なしか健康な子たちよりも真剣かつ本当に希望を持っているようにも感じました。
 たいていエイズに感染して生まれた子は、長生きしてもせいぜい10歳くらいと言われています。この子たちの人生はあまり長くはないかもしれません。でも、私たちは自分がいつ地上でのいのちを終えるのか、誰も知りません。もしかしたらそれは明日、いえ今日かもしれなくて、そうだとすればこの子たちより先に死んでしまうのです。地上での限られた時間、だけど今与えられている一日一日を大切に、でも絶望することなく当たり前に生きる方が、よっぽど人間として謙遜で賢いことなのでは、などと、いろんなことを考えさせられた一日でした。


赤ちゃんと施設スタッフ

3.労働許可について

 実はつい先日、エチオピア政府より、私の労働許可を出さない、との通達がありました。
神学校は日本の文部省認定の教育機関ではないため、形式重視のエチオピア政府からは学歴として認められず、私の最終学歴(大学での応用化学専攻)ではジジガでの職種にかみ合わない、という結論を下されたためです。
とはいえ、逃れの道も与えられているのかもしれません。FHIエチオピアには過去に、連邦災害防災準備委員会(エチオピア政府内で、FHIなどのNGOと共に働く際の主たる部門)で働いていたスタッフがいて、5月11日(木)以降に、彼が私と一緒にエチオピア政府に赴き、説得を試みてくれることになりました。
神さまは順調に労働許可を私に与えることもできたはずです。でも敢えて今このような道を通らされているその意味、今後の展開もまだわかりませんが、今この中にも進められている主の御心、人間の想いを遥かに超えた偉大なご計画に信頼しながら、なすべき努力をしていくつもりです。
この一週間、格別にその政府との話の導きのために、覚えてお祈りくだされば感謝です。

 なお、感謝なことに、高橋スタッフの労働許可は出る方向で話が進んでおります。労働許可が出ないことで(例えば銀行口座がつくれないので生活費が受け取れない、など)実質的な困難もいろいろありますが、こうして二人で派遣されたおかげで、高橋スタッフから助けを借りていけるかもしれません。困難がないのではなく、困難があっても異なる形で必要な道も与えられていることの現われの一つであるようにも感じます。


4.小泉首相、エチオピアを訪問

 4月29日(土)夜〜5月1日(月)にかけて、小泉首相がエチオピアをご訪問されました。日の丸の政府専用機で日本の要人が訪問するのは現天皇ご夫妻の新婚旅行以来で、なんと今回150名ほどの日本人が彼と共に来訪したとのこと。エチオピア全土に日本人が120名ほどしか居ないことを思うと、驚きを隠せません。
エチオピアにはアフリカ連合の本部があるため、ここでアフリカ支援強化のアピールをしてアフリカから国連常任理事国入りの支持を得よう、という政治的意図が背景にありますが、これから拡大される日本のアフリカ支援が、権力で民衆を抑圧している政治家の私服を肥やすものではなく、本当に助けが必要な人たちのところに届くものとなって欲しい、と願います。


5.日本にいても、エチオピアを

● 日本テレビ『笑ってコラえて』スペシャル版 5月10日(水)夜7時〜

前々エチオピア駐在・野田浩正スタッフの過去のご活躍が取り上げられます。私も2月に取材陣の方々とノダ農協その他の現場へご一緒させていただきました。 ぜひご覧下さり、エチオピアとFHIの働きを更に身近に感じて下さい!

● 『エチオピアの風を感じる集い』
 6月3日(土)午後1時半〜(昼の部)、6時半〜(夜の部)、所沢ミューズにて


あいのり学校建設などにも関わられた前エチオピア駐在・森田哲也スタッフの活動報告、ゴスペルシンガー上原令子さんの歌とお話、演劇空間・大地による劇の3本立てで行なわれます。
詳しくは森田スタッフのホームページをご覧下さい。
なお、収益金はエチオピアの必要のために用いられます。

ぜひ、ご家族・ご友人などお誘い合わせの上、お越しください!

 ■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■

● 労働許可(就労ビザ)取得、特に次週の政府訪問の導きのため
● アムハラ語の学び、現地スタッフとの良きコミュニケーションのため
● ジジガのエイズプログラムの最善の導きのため
特に現在は来年度以降の長期計画を立てています。長い目で見て本当に良いことが何かを見極める目が、格別にスタッフたちに与えられるように。

皆様お一人ひとりにも、私たちの想いを遥かに超えた主の大いなるご計画の中での導き、祝福が豊かにありますように。

心から祈りつつ

失敗を恐れずに (2006年5月)

** 平安をあなたに **

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