***** 困難がないのではなく (2008年9月) *****
 

皆様、こんにちは。
日本は秋を飛び越えたように寒くなったというような話もちらほら聞いています。いかがお過ごしでしょうか。
ウガンダは雨期で、毎日のように激しい雨が降り、それに伴って停電やネット不調、蚊の増加が続いています。
まだ正式な私のウガンダでの長期的な働き方は定まっていませんが、9月は突然のムコノへの出張滞在期間を通して良き示唆が与えられ、とても感謝でした。
 

■ 9月の活動と報告 ■

1. 自分の今後の備えは自分で考える

 ムコノではキョガ・ナマスンビ・ミソンバの3つの地域で世界里親会の支援を受けている子どもたちの実の親や地域のリーダー、住民たちが集まり、支援終了後の生活で不安に感じることは何か、それを解決するために今どのように備えていけばよいか、ということを改めて考えて話し合いました。
 現地の人たちのためのプロジェクト、と言っても実際は、支援団体が現地に必要と思われることを調査検討して何を行うかを決めていくケースが多いものです。でもこのように、彼らが自分たち自身に必要な解決策を考え、具体化していくこと、それ自体が大切です。
話し合いでは3地域それぞれならではの特色が豊かに現れました。最初「支援終了後」という言葉を聞いて暗い表情をしたにも関わらず、話し合いを終えた時にはみんな希望を抱けているような気持ち良い笑顔で帰っていきました。
 あと2〜4年でムコノの各地域の里親会支援が終わります。今の内から更にこのような話し合いを重ねて、彼らが支援終了後のためにどのように備えるか自ら考えて行動するようになり、私たちは良き脇役として助けながら彼らの先々の人生へも益をもたらせれば、と願っています。


和気あいあいとした雰囲気の中いろんな意見が出たキョガでのミーティング

2.困難がないのではなく

 カンパラの本部事務所で言われたことと、実際現場に行って期待されていることが大きく違う、というのはしょっちゅうあることです。今回ムコノに行ったらミソンバのスタッフに「明日子どもたちにチャペルをやってくれるんだってね。よろしく」と言われ、びっくり!その後村の大人と話し合いのためナマスンビに行ったら「今から最初に聖書のメッセージを語ってくれるんでしょ。ありがとう」と言われて、もっとびっくり!!
 急遽旧約聖書イザヤ43:1〜4を開きましたが、イザヤ43:4「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」はかつてイスラム教徒主体のエチオピア・ジジガで子どもたちに各々の宗教・民族背景を考慮しつつ贈った思い出深いみ言葉。でも実はその前の1〜3節にも深い内容があるのです。「あなたを形造った方、主はこう仰せられる。『恐れるな。わたしがあなたを贖ったのだ。わたしはあなたの名を呼んだ。あなたはわたしのもの。あなたが水の中を過ぎるときも、わたしはあなたとともにおり、川を渡るときも、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、あなたは焼かれず、炎はあなたに燃えつかない。わたしが、あなたの神、主、イスラエルの聖なる者、あなたの救い主であるからだ。・・・」
 私たちを創った神さまは「わたしがあなたを愛しているから、あなたは苦しみなど味わわないんだよ」とは言いません。誰しもこの地上にいる限り、水の中を通るような困難、火の中を歩くような苦しみがあります。ただ、それでも「私が共にいて守るから、あなたはそれで滅びることはない。大丈夫だから恐れなくていいんだよ」と言っておられるのです。でも実はこの方がより良いのではないでしょうか。
困難がないから平安だとすれば、困難が来たらたちまち打ちのめされるので、困難を恐れます。だけど、どんな困難があっても大丈夫、わたしが共にいて守っているよ、という言葉をそのまま信じられるなら、何があっても安心していられるのです。神のかたちに、でも神ではなく神より弱く創られた私たちは、困難や苦しみを通しても、神に頼りつつ、与えられた力を適切に用いて、歩んでいくよう促されています。彼らがここに示されてる神の深い愛を感じ取りながら、貧困の苦しみの中でも平安に自立へと進んで行けるよう、私の顔を見たらこの内容を思い出すくらいに、今後同じメッセージを語り続けようと想っています。
 ところで、ミソンバの話し合いでは、初めにキリスト教徒、終わりにイスラム教徒がお祈りをしました。信仰は異なりますが皆が心を合わせ、最後に「アーメン」(「その通りです」「真実」という意味)を声を合わせていて、とても感動しました。ナマスンビもイスラム教徒が多い地域で、またイスラム教徒に縁があるようです。宗教の違いが心の垣根になることなく、違いを尊重しつつ共に手を取って歩んでいけるよう、ムコノでも心を尽くしていきたいです。


里子の家庭訪問。お母さんが育てているほうれん草を買って夕食に食べました。

3.インド、エチオピアの現状

 8月下旬よりインド・オリッサ州では原理主義ヒンズー教徒によるクリスチャン迫害・虐殺が続き、想いを与えられた方にはお祈りと具体的な行動を(インド大使館への手紙送付を含め)お願いしてきました。多くの反響、具体的な応答があり、皆様の愛が日本、ウガンダ・エチオピアのみならず、世界の至る人たちへ向けられていることに深く感動しております。改めて感謝申し上げます。
インドでは今でも迫害が続いているものの、毎日焼かれている家や教会の数が減ってきているとのこと。インド政府も重い腰をあげ、原理主義の指導者を含めた首謀者を逮捕し、少数民族クリスチャンとの話し合いも進めているようです。他方、密林に逃げた人たちが飢餓や病気、猛獣の餌食となって多く命を失っている可能性があり、クリスチャンの援助団体はその地域に入ることさえ許されず、援助はおろか正しい状況把握さえままなりません。家を焼かれた人たち、家族を失った人たちが本当に元通りの生活まで回復するのはどれほど長期的な困難で大変なことか、想像もつかず途方に暮れます。続けてお祈り下さり、具体的な解決のための働きかけをして下されば、大変感謝です。
 また、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、9月22日エチオピアのソマリ州(オガデン地方)で国際NGO所属の日本人女医とオランダ人男性がイスラム教原理主義グループONLFに拉致されています。9月30日の時点ではお二人は危害を加えられておらず、解放へ向けた交渉が進められているようですが、現地の人たちのために働いてきた人の命がアフガンのケースのように取り去られることなく、無事守られて解放されるようお祈り下されば感謝です。(なおソマリアは現在国際社会で国家と認定されていないため、独自の正式な大使館はなく、国内に権力を十分行使できない暫定政府があるのみです。過激派ソマリア人が日本人を狙うのは国際社会の注目を浴びるためでもあるため、情報の出し方、対処には慎重さが必要とされます。)ソマリ州都ジジガでもまた28日(日)にホテルが爆破され、4人が死亡、22人が負傷しました。武力や権力によらず、愛によって、多様性の理解と和解がなされ、世界中に平和が実現することを願ってやみません。
 

 ■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■

† ムコノの大人たちが、里親会支援終了後に向けて、良く考え、話し合い、自ら必要な準備を整えていけますように。そのために私も用いていただけますように。先々のウガンダでの私の働き方の導きのため
† 世界中に平和が実現しますように。特に、インド・オリッサの迫害が一刻も早く終わり、人々が安全と必要が確保された生活へ戻っていけますように。エチオピア・オガデンで拉致された人たちの解放、エチオピアソマリ州とソマリアの平和、ソマリアーエチオピア間の関係修復のため。
† 私の働きの あらゆる必要が 備えられますように(特に労働許可取得、霊肉心身すべての健康の支え)
† 朝夷佳光スタッフ、日本にいる私の家族の全人的健康のため

 
地上での人生は楽しみや平穏ばかりではありませんが、それらを乗り越えさせて下さる神さまの愛と守りが、皆様に今月も豊かにありますように。

生きたモデル (2008年10月)

** 真珠捜しの近況 **

inserted by FC2 system