***** 暗闇の中に輝く光 (2006年11月) *****
皆様、こんにちは。いかがお過ごしですか。もうクリスマスシーズンですね。
エチオピア暦のクリスマスは1月なので、こちらはいつも通りの街並みです。
ただ、辛いことに、政情は大きく悪化しました。11月23日、エチオピアのメレス首相が「エチオピアはソマリアに対しての戦闘の準備が整った」と宣言し、その後、ジジガの街も、デモ行進その他でソマリ人住民が様々な反応をしています。
その頃私はアジスアベバにおり、諸事情で2回ジジガ行き日程を変更した後でしたが、外人であるゆえにリスクが高いとの諸スタッフの判断があり、当面アジスアベバにいることになりました。複雑な気持ちながらも、アジスアベバでの話し合いの場にてジジガの人たちの考えを取り次ぐことも大切、と思わされることが何度かあり、アジスアベバにいても心はジジガにあって、ジジガの方々のために労しています。
■ 今月の活動と報告 ■
1. 養育者へのアプローチと地域の支え
孤児とその養育者たちは、FHIのプロジェクト撤退を知り、まだ不安や悲しみなどいろんな感情が入り混じった状態でいます。それは私自身もそうでしたし、ごく自然な反応です。まず、彼らに耳を傾けてその気持ちを理解しつつ、一人ひとりが気持ちを切り替えられるペースを尊重して励ましていければ、と願います。
約3km四方の小さなジジガの街で、6つの地域ごとに孤児擁護委員会が設立されていて、これまでも29人の委員会メンバーが80人の孤児たちと養育者一家の生活を見守り、支えてきました。彼らは、これまでのFHIの取り組みに感謝を示し、プロジェクト撤退の事実も受け入れた上で、現在とその後にどのような取り組みが孤児たちにとって最もよいのか、具体的に考え話し合ってくれています。
そして、子どもたちが先々も学校へ行って、生活の必要を整えられるためにも、養育者が良い形で仕事を進めて充分な収入を得られるように、今彼らと協力して収入向上支援を進めています。もちろん誰もが仕事を充分できる状態ではなく、ご老齢の養育者も多いのです。一人ひとり個別の対応、地域の人たちによる助け合いの体制が更に必要な中にあって、このように既に地域ベースで心を砕いて関わっている人たちの存在は、本当に慰めであり、希望があります。
いつも仲良し!
ジジガで生まれ育ち、ジジガの人たちを愛し労するスタッフ、サムエル
■ 覚えて欲しいこと(お祈りの課題) ■
● ジジガの孤児・養育者たちが心を強く持ち、一人ひとりにふさわしい対策をとっていけますように。地域の人たちが、必要ある人たちを覚えて、よい助け合いの体制を築いていけますように。
● ソマリアとエチオピアの関係が回復され、ジジガの街の誰もが皆、喜びと平安をもって生きていけますように。インマヌエル小学校が、子どもたちの必要の満たしと平和構築のため、より大きく用いられますように。
● 来年1月以降私の取り組む働きが、神とエチオピアの人々に最もよく仕えられるものへと導かれますように。
● 高橋ゆかりスタッフと私、および日本にいる家族の健康が、霊肉共に支えられますように。
初めてジジガを訪問した2005年9月、ジジガの悲惨な状況に、私は正直苦しさを感じました。ですが、その夜空を見上げたら、これまで見たこともないほどたくさんの星がきらめいていたのです。「暗いからこそ、たくさんの星が光を受けて輝いているのが見える。日本では気づかなかったけど、星がこんなにあったんだ。」そう気づいた時、私はジジガの人たちのために労したいと想わされました。
今、私はジジガの暗闇の中で、美しくきらめく小さな星をたくさん見ています。
「光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。」(新約聖書ヨハネ1:5)
皆様お一人ひとりにとっても、闇の中で輝く光を発見できる、祝福に満ちたクリスマスとなりますように。