** ジジガでのHIV/エイズプロジェクト **

ジジガの街

私の派遣先、ジジガの街は、首都のアジスアベバから約600km東、
ソマリア国境に近いところにあるソマリ州の州都です。
州の9割、街の7割を占めるソマリ人はほぼ全員イスラム教徒で、ソマリ語を話します。
残りはエチオピアのアムハラ族を中心にいろんな民族が居ますが、その多くはキリスト教徒。
彼らは皆エチオピア人と呼ばれ、エチオピア公用語のアムハラ語を話しており、見えない壁を感じます。
 
砂漠地帯のため、農作物はあまりうまく育ちませんが、商業都市として栄えています。
電気や水道、道路などの設備は比較的整っている方ですが、 商業都市であることから貧富の差が激しく、
貧しい人たちにはより困難を強いられる環境でもあるようです。
2002年の調査では、なんとこの街の妊婦の19%が、HIVに感染していました。
このままこの状態が続けば、更に多くの尊い命がこの地から失われていってしまいます。
しかも、その後には孤児が多く残されており、次世代の街の発展までもが危ぶまれています。
 
そのため、私はこのHIV/エイズプロジェクトを通して、人々と共にその地で生きながら、
神と神が愛しておられるお一人一人に仕え、彼らの全人格的な必要に応える働きをさせていただくことになりました。
 
(追記補足: ソマリア情勢に悪化に伴い、2006年12月末で支援、2007年4月末でそのフォロアップを終えました。)

HIV/エイズプロジェクト

HIV(Human Immuno-deficiency Virus)とは・・・
ヒト(Human)の体を守る生体反応(免疫反応)がちゃんと働かなくなる(免疫不全:Immuno-deficiency)、
いわゆるエイズのウィルス(Virus)です。
このHIVに感染してから、エイズを発症するまでに8〜10年ほどの潜伏期間があります。

エイズ(後天性免疫不全症候群:Aquired Immuno-Deficiency Syndrome)とは・・・
後天性(Aquired): 遺伝はせず、
免疫(Immuno)不全(Deficiency): ヒトの体を守る生体反応(免疫反応)がちゃんと働かなくなることが、
症候群(Syndrome): いくつかの症状が伴って起こるものです。
HIVが体の中で増えると、体を病気から守っている免疫力が低下、破壊されて、
普通の人がかからない類の感染症、肺炎などに罹り、体が弱っていってしまうのです。

HIVの感染ルート
HIV感染は、性的接触による精液と血液、母乳などの体液のみによります。
つまり、性行為・血液・母子を通して、感染しますが
感染力自体は大変弱いため、これらを避けていれば、日常生活の接触で感染することはまずありません。
(蚊による血液、汗や唾液などを通しての感染の心配も、全くありません。)

ジジガのエイズプロジェクト
ジジガでのHIV感染ルートの多くは異性間性交渉による感染、と分析されています。
その背後には、貧困による階級格差、女性の社会的地位の低さ、女性性器切除などの問題も
複雑に絡み合っているようです。

街には、エイズによって両親を失った孤児たちがたくさんいます。
孤児の多くは親戚や近所の人に引き取られますが、ただでさえ貧しい人たちが新たに子どもを引き取るため、孤児が学校で教育を受けられる機会は、実の子に比べて更に少なくなります。また小間使いのように扱われることもあるようです。
年長の子が家長となって子どもだけで家族を形成しているところもあります。
このまま彼らが充分な教育を受けて健全に成長していけないと、子どもたちの将来、ひいては街全体の将来が困窮することになってしまうのです。
しかも、エイズという病で親を失った孤児たちは、精神的にも社会的にもより一層辛い状況を生きており、様々な助けを必要としています。
 
ジジガのエイズプロジェクトには、2つの活動の柱があります。

一つは、エイズ孤児や弱い立場におかれている子どもたちへの支援です。
特に必要ある80人の子どもたちを対象に、地域の教会や住民と協力して、家庭訪問・カウンセリングなどを行ないつつ、生活や学用品、医療などの物理的必要を支援し、全人格的なアプローチによる支援をしています。

もう一つは、エイズ予防/対策です。
宗教リーダーや若者など、様々なグループを対象として、エイズに関するワークショップ、勉強会などを行い、参加者がエイズに関する知識と予防のための知識を得られるよううながし、また彼らが地域でエイズ予防・偏見除去・あらゆる対策の啓発実行者となるよう、支援しています。
 
柱は2本ですが、実際はこの2つを実践できる「人」を育てて、地域の人たちに愛し合い支え合う働きを委ねていく必要があるのです。


ジジガで訪問したエイズ孤児と近所の子たちと


シェバ&ソロモンの子たちと共に

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