ちいさな 自伝

ポルティア・ネルソン

わたしは、道を歩いていた。
 
道端に深い穴があいていた。
 
わたしは、その中に落ちた。
 
絶望と無力がそこにあった。
 
でも、それはわたしのせいじゃないことにした。
 
出口はいくら探してもわからなかった。
 


わたしは、同じ道を歩いていた。
 
道端に深い穴があいていた。
 
わたしは、それを見ないふりをした。
 
わたしはまたもやその中に落ちた。
 
まさか同じ所にいるとは、考えられないことだった。
 
でも、それはわたしのせいじゃないことにした。
 
出口を捜すのに、ひどく苦労した。
 


わたしは、同じ道を歩いていた。
 
道端に深い穴があいていた。
 
わたしは、それを見た。
 
またもやその中に落ちた。まるで習慣のように。
 
でもわたしの目は開いていた。
 
わたしは、どこにいるのか知っていた。
 
出口はたちまちにしてわかった。
 


わたしは、同じ道を歩いていた。
 
道端に深い穴があいていた。
 
わたしは、それを避けた。
 


わたしは、別の道を歩いていた。
 
 

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